IIJmioは2012年からサービスを開始した老舗の格安SIMです。
長期間に渡って安定した運営をしている信頼性の高さで人気を集めています。
複数のSIMで容量シェアできたり、最大62GBの大容量データ通信を使えたりと、タブレット用としてもおすすめです。
今回はIIJmioの通信速度やメリット・デメリット、おすすめの料金プランなどについて詳しく解説します。
1. IIJmioの通信速度
格安SIMの通信速度は実際に使ってみないと分かりません。
そこで、IIJmioの通信速度を実際に計測してみました。
格安SIMは時間帯によって速度に変化があるので、
・朝(9:00)
・昼(12:00)
・夕方(18:00)
・夜(22:00)
の4つの時間帯にわけて速度を計測しました。
計測にはアプリ「Speedtest.net」を利用しています。
計測場所は岡山県岡山市です。
計測結果は以下の通りです。
下り | 上り | |
---|---|---|
朝 (09:00) | 13.6Mbps | 12.9Mbps |
昼 (12:00) | 0.38Mbps | 10.1Mbps |
夕 (18:00) | 1.30Mbps | 10.6Mbps |
夜 (22:00) | 6.01Mbps | 11.0Mbps |
計測結果を見ると、IIJmioの速度は時間帯によって差があることが分かります。
回線が混雑する昼と夕方は速度が遅いですね。
とくに昼は1Mbpsどころか0.5Mbpsすら下回っています。
実際にこの時間帯に使ってみましたが、音楽ストリーミングや動画視聴、SNSなどは読み込みが遅くストレスが溜まりました。
Google Mapはなんとか利用できますが、読み込みには多少時間がかかります。
一方、回線が空いている朝と夜は10Mbps前後出ており、動画視聴も快適でした。
Google Mapの利用も全く問題ありません。
2.IIJmioのメリット・デメリット
続いて、IIJmioのメリットとデメリットを見ていきます。
2-1.メリット①複数のSIMカードで容量をシェアできる
IIJmioは複数のSIMカードで容量をシェアできます。
シェアできる最大枚数はプランによって以下の通りに決まっています。
・ミニマムスタートプラン(3GB)/ライトスタートプラン(3GB):2枚
・ファミリーシェアプラン(12GB):10枚
月12GBの容量が使えるファミリーシェアプランでは、なんと10枚のSIMカードで容量をシェアが可能です。
複数のタブレットでデータ通信を使いたい場合や、メインのスマホも格安SIMにしたい場合に有効です。
例えば、
・家族3人のスマホで音声通話SIMを使い、さらにデータ通信専用SIM1枚をカーナビ用に使う
・データ通信専用SIMを複数契約して家族それぞれの来るまでカーナビとして使う
といった使い方ができます。
2-2.メリット②速度切り替えとバースト転送対応で低速通信も快適
IIJmioは速度切り替えにより、いつでも高速通信と低速通信を切り替えられます。
低速通信時は速度が200kbpsに制限されますが、データ通信量を消費しません。
また、IIJmioは低速通信時でも最初の読み込みだけ高速通信が使えるバースト転送に対応しています。
バースト転送に対応しているため、低速でもGoogle Mapやブラウジングなどの軽い用途であれば問題なく利用可能です。
2-3.メリット③大容量オプションを使えば最大62GBの容量が使える
IIJmioの容量プランは最大で12GBしかありません。
Google Mapや音楽ストリーミングしか使わないなら十分ですが、長時間に渡って動画を再生する場合は足りなくなり恐れがあります。
そんな人のために、IIJmioでは20GBもしくは30GBの容量を毎月追加する「大容量オプション」が用意されています。
20GBは月額3,100円、30GBは月額5,000円で利用可能です。
例えば毎月30GB利用する人ならファミリーシェアプランに20GBオプションを付ければ月額5,660円で32GBのデータ通信が使えます。
20GBと30GBを同時に申し込むことも可能です。
ファミリーシェアプランに20GBと30GBのオプションを追加することで、最大62GBもの大容量が使えます。
長時間YouTubeを再生するなど、データ通信をたくさん使う人でも安心ですね。
2-4. デメリット①混雑時の通信速度がかなり遅い
IIJmioは混雑時の通信が遅いのがデメリットです。
お昼はとくに遅く、0.5Mbpsを下回ることがほとんどです。
お昼や夕方に通信速度が低下するのは格安SIM共通の悩みの種でもあります。
それでもたいていの格安SIMは0.7~0.9Mbpsくらいは出るので、0.5Mbpsを下回るIIJmioは遅い部類に入ります。
カーナビとしてGoogle Mapだけを使うなら問題ありませんが、動画視聴やゲームなどは難しいでしょう。
2-5. デメリット②低速時は直近3日間の速度制限がある
IIJmioでは低速通信時に直近3日間で366MB以上のデータ通信を使うと、一時的に速度制限がかかります。
そもそも低速通信時は最大200kbpsに制限されているので、この状態で速度制限がかかると余計に遅くなってしまいます。
IIJmioは低速通信の使い勝手が良いですが、使いすぎには気を付けましょう。
なお、au回線に関しては高速通信時に直近3日間で6GB以上のデータ通信を利用しても一時的に速度制限がかかります。
普通にカーナビとして使うだけなら3日で6GBも使うことはないので敏感になる必要はありません。
ただ、例えば大容量オプションを契約し、運転中はずっとYouTubeを再生する、といった使い方だと制限を超える可能性があります。
高速通信時も短期間にデータ通信を使いすぎないよう注意してください。
3. タブレットにおすすめの料金プラン
3-1. ライトユーザー向け
ライトユーザーには3GBの「ミニマムスタートプラン」がおすすめです。
月額料金はタイプA(au回線)・タイプD(ドコモ回線)ともに900円と、3GBのデータ通信専用SIMとしては標準的です。
ミニマムスタートプランでは最大2枚のSIMカードで容量をシェアできます。
例えばスマホで3GBの音声通話SIMを使い、データ通信専用SIMを追加してカーナビで使うようにすれば、
・ミニマムスタートプラン音声通話SIM:1,600円
・追加SIM利用料:400円
となり、スマホとカーナビ合わせて月額2,000円で利用可能です。
スマホはLINEやSNSだけ、タブレットもGoogle Mapしか使わない、といったライトユーザーならこのような使い方でも十分でしょう。
3-2. 大容量プラン
大容量プランを利用したい人はファミリーシェアプランか、大容量オプションを活用しましょう。
ファミリーシェアプランは月12GBの容量が使えます。
12GBは標準画質なら約50時間、HD画質(720p)なら約16時間ほど閲覧可能です。
標準画質の動画を1日1時間くらいだけ見る、という人ならファミリーシェアプランで問題ありません。
画質にこだわる場合や、もっと長い時間動画を見る場合は12GBでは足りません。
利用する容量に応じて20GBもしくは30GBの大容量オプションを追加しましょう。
目安としては、
・20GB:標準画質なら約90時間、HD画質(720p)なら約30時間
・30GB:標準画質なら約135時間、HD画質(720p)なら約45時間
といった感じです。
例えば20GBの容量が欲しいならミニマムスタートプラン(3GB)+20GBオプションにすればOKです。
4. キャンペーン
2019年6月現在、IIJmioでは以下のキャンペーンを実施しています。
・シェアNo1記念 スマホ代300円キャンペーン
「シェアNo1記念 スマホ代300円キャンペーン」では以下の3つの特典を受けられます。
①初期費用1円
②音声通話SIMの月額料金が3ヶ月間1,300円割引
③データ通信量が1ヶ月間+1GB
キャンペーン名に「スマホ」とついていますが、SIMカードのみの契約やタブレットとのセットでも適用されます。
②については音声通話SIM専用のキャンペーンなのでタブレット利用の場合は関係ありません。
①と③はデータ通信専用SIMでも適用されます。
とくに3,000円の初期費用が1円になるのはありがたいですね。
5. 管理画面の使いやすさ
IIJmioのマイページ(管理画面)はスッキリとまとまっていて見やすいです。
画面上部は契約内容の確認や住所・連絡先の変更など、契約情報に関する項目がまとめられています。
画面下部にはSIMカードの追加やオプション変更など、SIMサービスに関する項目がまとまっています。
また、IIJmioには公式アプリ「IIJmioクーポンスイッチ(みおぽん)」が用意されています。
みおぽんを起動すると契約しているSIMカードの一覧と、それぞれの速度切り替えスイッチが表示されます。
複数枚のSIMカードを契約していても、それぞれのデータ通信の利用状況を素早く確認可能です。
ワンタッチで速度切り替えができるのも便利ですね。
6. 店舗購入とネット契約どちらが便利?お得なのは?
IIJmioは専門ショップはありませんが、全国の家電量販店や携帯ショップで購入可能です。
しかし、契約するならネットのほうが断然お得です。
IIJmioはお得なキャンペーンを定期的に行っていますが、それらはいずれもネットから申し込んだ場合のみ適用されます。
店舗から申し込んだ場合はキャンペーンが適用されません。
また、ネットからの申し込みなら待ち時間がありませんし、いつでも自宅のパソコンやスマホから手続きが可能です。
したがって、IIJmioを申し込むならネットのほうがおすすめです。
7. 解約方法
IIJmioの解約はマイページから行います。
マイページトップから[サービスのご解約]を選択します。
解約するサービスにチェックを入れ[次へ]を選択してください。
解約に関する注意事項が表示されます。
すべて確認したうえで、[解約手続きに関する注意事項と最短解約日を確認の上、次に進む]にチェックを入れ[次へ]を選択します。
最後に簡単なアンケートが表示されるので回答し[解約申し込み]を押せば解約手続きが完了です。
解約手続きが完了したら、以下の住所にSIMカードを返却してください。
【返送先住所】
〒143-0006
東京都大田区平和島3-6-1
東京団地倉庫A-2 棟 住友倉庫内
IIJ モバイル 解約受付センター
TEL:0570-09-4400
なお、タブレットで利用するデータ通信専用SIMには最低利用期間はありません。
8. 相性のいいタブレット
IIJmioはドコモ回線とau回線の2つに対応しています。
料金やサービス内容はどちらもほぼ同じですが、タブレットを使うならドコモ回線がおすすめです。
SIMフリーのAndroidタブレットの多くはドコモ回線に対応しているので、ドコモ回線プランなら幅広い端末が使えます。
IIJmioは公式で端末の動作確認を行い、「動作確認済み端末一覧(https://www.iijmio.jp/hdd/devices/)」として公開しています。
気になるなら利用予定のタブレットが事前に動作確認されているかどうかをチェックしておきましょう。
当サイトでもおすすめとして紹介している、
・HUAWEI MediaPad M5 8.4
・HUAWEI MediaPad M5 lite
の2機種はIIJmioでしっかり動作が確認されています。
動作確認されていないその他のタブレットでも、ドコモ回線のプランならほぼ動くと思っていただければOKです。
一方、SIMフリータブレットでau回線に対応している機種は種類が少ないです。
また、IIJmioのau回線では基本的にAndroidタブレットの動作確認がされていません。
当サイトでおすすめしている、
・HUAWEI MediaPad T2 7.0 Pro
・HUAWEI MediaPad M5 8.4
・HUAWEI MediaPad M3 Lite 8
・HUAWEI MediaPad M5 lite
・ASUS ZenPad7(Z370KL)
などについてはau回線でのデータ通信に対応していますが、IIJmioではいずれも動作確認されていません。
IIJmioでタブレットを使うなら、動作確認がされているドコモ回線を選びましょう。
9. APN設定
IIJmioをSIMフリータブレットで利用する場合はAPN設定が必要です。
[設定]→[無線とネットワーク]→[モバイルネットワーク]→[アクセスポイント名]の順に選択します。
インストールされているAPN設定一覧が表示されます。
その中に「IIJmio(iijmio.jp)」というAPNがある場合はそれをタップするだけでAPN設定は完了です。
もし一覧にない場合はIIJmioのAPN情報を手動で入力します。
APN一覧画面上のメニューを選択して「新しいAPN」を選択、もしくは「+ボタン」を選択タップしてください。
APN情報の入力画面になるので、以下の項目を入力してください。
名前 | 任意の名前(IIJmioなど) |
---|---|
APN | iijmio.jp |
ユーザー名 | mio@iij |
パスワード | iij |
認証タイプ | PAPまたはCHAP |
入力が終わったらメニューアイコンの[保存]をタップします。
さきほどのAPN一覧に手動で入力したAPNが表示れるので、それをタップすればAPN設定が完了です。