外出先でタブレットを使ってExcelを操作すると、動作が遅かったり表示が崩れたりしてイライラした経験はありませんか。
キーボード入力やタッチ操作、アプリの機能差に加えてスペック選びや同期方法まで考慮すべき点が多く、何から改善すれば良いか迷いやすいのが現状です。
この記事では必要スペックや無料版と有料版の違い、効率化できるアクセサリや同期のコツなど、実務で役立つ対策を分かりやすくお伝えします。
外付けキーボードやデジタルペン、画面分割といった即実践できるテクニックも網羅しています。
まずはタブレットでExcelを快適に使うための基本から順に確認していきましょう。
タブレットでExcelを快適に使う方法

タブレットでExcelを使うときは入力方法と表示の工夫で作業効率が大きく変わります。
タブレット Excelを快適に操作するには入力環境と表示設定を見直すことが重要です。
外付けキーボード
外付けキーボードを使うと入力速度が上がり編集も正確になります。
Bluetooth接続のフルサイズキーボードや折りたたみ式の軽量モデルが便利です。
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フルサイズはキー配列が標準に近く長時間入力に向いています。
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薄型のタイプは携帯性に優れて外出先での作業に適しています。
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ショートカットキーが使えるキーボードは操作が格段に速くなります。
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バックライト付きは暗い場所での作業に便利です。
キーボードケース一体型は保護と入力を両立できるため持ち運びに便利です。
タッチ操作
タッチ操作でセルの選択やドラッグは直感的に行えます。
ピンチで拡大縮小、ダブルタップでセル編集の入り口に入る操作を覚えておくと便利です。
長押しでコンテキストメニューを出しコピーや貼り付けを素早く行えます。
複数セルの範囲選択は最初のセルをタッチしてから端をドラッグするとスムーズです。
デジタルペン
デジタルペンがあれば手書きメモや注釈を直接シートに書き込めます。
手書きの数式や図形をテキストや図形に変換する機能を活用すると見栄えがよくなります。
ペンの感圧や傾きに対応している機種なら細かな線や強弱のある手書き表現が可能です。
注釈を残すときは色や太さを変えて重要箇所を目立たせると後で見返しやすくなります。
ショートカットキー
外付けキーボードを使う場合はショートカットを覚えると作業が飛躍的に速くなります。
操作。 |
Windows/Androidキーボード。 |
iPad用キーボード。 |
---|---|---|
コピー。 |
Ctrl + C。 |
Cmd + C。 |
貼り付け。 |
Ctrl + V。 |
Cmd + V。 |
元に戻す。 |
Ctrl + Z。 |
Cmd + Z。 |
検索。 |
Ctrl + F。 |
Cmd + F。 |
上記以外にもセル移動や列・行の挿入などよく使う操作をショートカットに割り当てると便利です。
画面分割
タブレットの画面分割機能を使うとExcelと参照元のアプリを同時に表示できます。
iPadではスプリットビューやスライドオーバーを利用してブラウザやメールを並べられます。
Androidでは画面分割でファイル管理アプリとExcelを横並びにして操作できます。
複数シートを同時に表示できる場合はウィンドウを並べて比較やコピーを行うと効率的です。
ファイル同期
クラウドストレージを使うとPCやスマホとファイルを自動で同期できます。
OneDriveやGoogleドライブを利用するとExcelファイルのバージョン管理や自動保存が利用可能です。
オフラインで作業する場合はファイルを事前に端末にダウンロードしておくと安心です。
編集履歴や復元機能を活用すると誤操作でのデータ損失を防げます。
タブレットでExcelを使う際の必要スペック

タブレットでExcelを快適に使うためにはCPUやメモリ、ストレージなどのハードウェアが重要です。
用途に応じたスペックを選べば表示や計算、ファイル操作がスムーズになります。
CPU性能
Excelの動作にはCPUのシングルスレッド性能が特に効いてきます。
軽い表計算や閲覧中心なら省電力なArm系SoCや低消費電力のIntel CPUでも十分動作します。
大量の計算や複雑な関数、ピボットやPower Queryを多用する場合は高クロックのCPUやコア数が多いCPUを選ぶと処理時間が短くなります。
またARM系タブレットでは一部のアドインやVBAの互換性に制約が出ることがあるので使用するExcelのバージョンやマクロの有無も確認してください。
メモリ容量
メモリは同時に開くファイル数やシートの複雑さに直接影響します。
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4GB:軽いファイルや閲覧用途に最低限の容量です。
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8GB:一般的なビジネス用途や複数ファイルの同時作業におすすめの容量です。
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16GB以上:大規模なデータセットや複数の重いブックを扱う場合に安心できる容量です。
ブラウザや他アプリも同時に使う場合はメモリに余裕を持って選ぶと動作が安定します。
ストレージ容量
ローカルの保存容量はファイルの数とサイズ、オフラインでの利用頻度で決めると良いです。
容量 |
想定用途 |
推奨ポイント |
---|---|---|
64GB |
クラウド保存中心でファイル数が少ないユーザー向け |
軽作業なら妥当ですがローカルに多く保存する場合は不足しやすいです |
128GB |
標準的な利用、オフラインでも数多くのファイルを保持したい場合 |
バランスが良く多くのユーザーに適します |
256GB以上 |
大容量のデータや多くの添付ファイルを扱うプロユーザー向け |
ローカルでのバックアップや大きなデータセットも安心して保存できます |
外付けストレージやクラウド同期を併用すると容量不足の不安を減らせます。
画面サイズ
画面サイズは作業効率に直結します。
10インチ前後のタブレットは携帯性に優れますが、列や行を多く表示するにはやや狭く感じることがあります。
11〜13インチ程度なら表の全体像を把握しやすくキーボード接続との組み合わせでノートPCに近い作業性が得られます。
より大きな画面を求めるなら13インチ以上のタブレットや2-in-1タイプを検討すると良いです。
解像度
解像度が高いほどセルやテキストの視認性が上がります。
フルHD(1920×1080)以上を目安にすると細かいセルも読みやすくなります。
高DPIディスプレイでは表示スケーリングによりUIが小さくなる場合があるのでOSのスケーリング設定で調整してください。
バッテリー持続時間
電池持ちは外出先での作業時間に直結します。
通常の閲覧や編集中心なら8時間前後の持続時間があると安心です。
大きな計算や長時間の連続作業は消費電力が増えるためバッテリーの持ちが短くなります。
USB-C PD対応の急速充電やモバイルバッテリー対応の機種を選ぶと回復が速く便利です。
タブレットでExcelアプリの無料版と有料版の違い

タブレットでExcelを使うときは、無料で使える機能と有料のサブスクリプションで使える機能に差があります。
利用シーンやタブレットの画面サイズによって必要なプランが変わることが多いです。
Excelモバイル
ExcelモバイルはiPadやAndroidタブレット向けのアプリで、基本的な閲覧や簡単な編集が可能です。
軽い表作成や数式の入力、簡単なグラフ作成は無料で行えることが多いです。
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シートの閲覧やコメントの確認ができる機能。
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基本的なセル編集や四則演算などの数式が使える機能。
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簡単なグラフ作成や書式設定ができる機能。
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ファイルのクラウド保存と同期ができる機能。
ただし画面サイズが大きいタブレットや高度な操作になると編集に制限がかかる場合があります。
Microsoft 365
Microsoft 365はサブスクリプション型のサービスで、有料プランに加入するとアプリのフル機能が使えるようになります。
タブレットでも高度なデータ分析やピボットテーブル、共同編集などの機能がスムーズに使えます。
特に10.1インチを超える画面のタブレットでは、編集機能を使うためにサブスクが必要になるケースが多いです。
サブスク加入で複数デバイスでのインストールやOneDriveの大容量ストレージが利用できるメリットもあります。
Office Online
Office Onlineはブラウザで動くExcelの無料版で、インターネット接続があればタブレットからも利用できます。
基本的な編集や共同編集が可能で、アプリをインストールできない環境でも便利です。
ただしブラウザ版はデスクトップ版に比べて機能が限定される点に注意が必要です。
機能制限
無料版ではマクロやVBAの実行が制限されることが多く、マクロを多用するシートは動かない場合があります。
高度なデータ取り込みやPower Queryのような高度機能は有料プランでしか使えないことがあります。
ピボットテーブルの一部機能や高度なグラフ、外部アドインの利用も制限される場合があります。
またオフラインでの操作や大容量ファイルの処理は有料版の方が快適に動作することが多いです。
価格プラン
価格は頻繁に変わるため最新情報は公式サイトで確認するのがおすすめです。
プラン |
月額目安 |
主な特徴 |
---|---|---|
無料版(Excelモバイル/Office Online) |
0円 |
閲覧と簡易編集、クラウド同期が中心の機能。 |
Microsoft 365 Personal |
約1,300円/月 |
フル機能のExcel、1ユーザー向け、OneDrive容量増加。 |
Microsoft 365 Family |
約1,800円〜2,000円/月 |
最大6ユーザーで共有可能、家族での利用に便利。 |
多くのプランで無料試用期間や学生向けの割引が用意されています。
使い方や必要な機能に合わせて、無料版から試してみて必要なら有料へ切り替える流れが現実的です。
タブレットでExcelに適した機種の選び方

Excelを快適に使うには性能と互換性、入力環境のバランスが重要です。
用途に合わせて画面サイズやキーボード、ペン対応の有無を優先して選びましょう。
iPad
iPadはExcelアプリが最適化されており、軽快な操作感が魅力です。
Office 365のサブスクリプションがあれば機能制限が少なくなります。
Apple Pencilに対応しているモデルなら手書きのメモや注釈がしやすいです。
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おすすめはiPad AirやiPad Proで、処理性能と画面サイズの両立ができます。
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エントリーモデルのiPadは軽い作業や閲覧中心ならコスパが良いです。
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iPadではマクロやVBAの完全対応は期待できない点に注意が必要です。
外付けキーボードやMagic Keyboardを使うと入力効率が大きく向上します。
ファイル同期はOneDriveやiCloudを活用するとスムーズです。
Windowsタブレット
Windowsタブレットはデスクトップ版のExcelが動くため互換性が最も高いです。
VBAや複雑なマクロを使う場合はWindows機が第一候補になります。
機種例 |
Excel互換性 |
向いている作業 |
---|---|---|
Surface Pro |
デスクトップ版Excelが動作し、マクロ対応も可能です。 |
大規模なスプレッドシートや分析作業に向いています。 |
Surface Go |
軽いExcel作業に対応しますが高負荷処理は苦手です。 |
出先での編集や閲覧が中心のユーザーに適しています。 |
その他のWindowsタブレット |
仕様により性能差があるためCPUとRAMを確認してください。 |
コストと性能のバランスで選ぶと失敗が少ないです。 |
キーボードとトラックパッドが使えるモデルを選ぶと表計算の効率が上がります。
ストレージはSSD搭載で可能な限り容量を確保しておくと安心です。
Androidタブレット
AndroidタブレットはExcelアプリで手軽に編集や閲覧ができます。
機能面ではiPadと同様に一部の高度な機能が制限される場合があります。
SamsungのGalaxy TabシリーズはDeXモードでデスクトップライクに使える点が強みです。
予算を抑えたい場合は中価格帯のAndroidタブレットがコスパに優れます。
外部キーボードやマウスを組み合わせると作業効率が大幅に改善します。
2in1タブレット
2in1はタブレットとノートPCの両方の使い方ができる汎用性が魅力です。
着脱式キーボードや折りたたみヒンジで入力環境を柔軟に切り替えられます。
Windowsベースの2in1はデスクトップExcelが使え、タブレット寄りのモデルは軽さが利点です。
持ち運び重視なら軽量モデルを、性能重視なら高性能CPUと多めのRAMを選んでください。
長時間の作業が多い場合はバッテリー駆動時間も必ず確認しましょう。
タブレットでExcel作業を効率化するアクセサリ

タブレットでExcelを使うときに役立つアクセサリを分かりやすくまとめました。
用途に合わせて選べば作業速度と快適さが大きく向上します。
Bluetoothキーボード
長いデータ入力や関数入力を行うなら物理キーボードが圧倒的に便利です。
ショートカットキーを覚えればセル移動や書式設定が素早く行えます。
接続はBluetoothで簡単にペアリングできる製品が多いです。
軽量で折りたたみ式のタイプは持ち運びに優れます。
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キー配列がフルサイズに近いものを選ぶと誤入力が減ります。
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バッテリー駆動時間が長い機種は出先で安心です。
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ショートカット対応キーやWindows/Android/iPadの切替があると便利です。
タッチペン
セル内の細かい選択や手書きメモを取りたいときにタッチペンが役立ちます。
高精度なペン先と傾き検知、筆圧感知があると編集が楽になります。
パームリジェクション対応のペンは手を画面に置いて操作できるため作業が安定します。
注釈やグラフへの手書きコメントなどが直感的に行えます。
USB‑Cドック
タブレットのポートを拡張して外付けディスクや有線LAN、外部モニターに接続できます。
複数の機器を同時に使うならドックがあるとケーブル管理が楽になります。
ポート |
用途 |
おすすめポイント |
---|---|---|
HDMI出力。 |
外付けディスプレイへの出力に使用します。 |
フルHDや4K出力対応で作業領域が広がります。 |
USB‑Aポート。 |
外付けキーボードやUSBメモリの接続に利用します。 |
データのやり取りや周辺機器接続が簡単です。 |
有線LANポート。 |
安定したネットワーク接続が必要なときに便利です。 |
大容量ファイルの転送やオンライン共同編集が安定します。 |
購入前にタブレットとの互換性と対応出力解像度を確認してください。
外付けディスプレイ
広い画面で複数のシートやウィンドウを並べられると作業効率が上がります。
解像度が高いモニターは細かなセルやグラフの表示に適しています。
ノートPCのようにセカンドディスプレイとして拡張表示ができれば参照データを常に表示できます。
接続方法はHDMIやUSB‑C、DisplayPortなどタブレットの出力に合わせて選びましょう。
タブレットスタンド
適切な高さと角度でスタンドを使うと首や肩の負担が軽くなります。
タイピング時は低めの角度、長時間の閲覧時はやや高めの角度が作業しやすいです。
折りたたみ式や軽量モデルは外出先での利用に向いています。
安定感のあるスタンドを選ぶとキーボード入力やペン操作がぶれにくくなります。
タブレットでExcelファイルを共有と同期する方法

タブレットでExcelを使うと外出先でもデータ入力や確認が簡単になります。
複数人で同じファイルを扱う場合は共有と同期の方法を知っておくと作業がスムーズになります。
OneDrive
OneDriveを使うとMicrosoftアカウントでファイルをクラウド保存できます。
Excelアプリから直接OneDriveに保存すると自動保存が働き、編集内容が即座に反映されます。
複数人で同時編集(コラボレーション)が可能で、セル単位での変更をリアルタイムで確認できます。
オフラインで編集したファイルは次回オンラインになったときに自動で同期されます。
共有リンクを発行して編集権限や閲覧権限を細かく設定できます。
SharePoint
SharePointは組織向けのドキュメント管理が得意なプラットフォームです。
タブレットからでもブラウザや専用アプリでドキュメントライブラリにアクセスできます。
よく使うSharePointでの基本的な共有手順は次の通りです。
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該当のドキュメントライブラリにExcelファイルをアップロードします。
-
ファイルを選択して共有またはリンクを作成します。
-
ユーザーやグループに対して閲覧または編集の権限を付与します。
-
必要に応じてバージョン管理やチェックイン/チェックアウトを利用します。
SharePointはアクセス制御や監査ログが充実しているため社内での運用に向いています。
Googleドライブ
Googleドライブはファイル共有と同期がシンプルで初心者にも扱いやすいサービスです。
Excelファイルはそのままアップロードして共有できますが、互換性に注意が必要です。
比較項目 |
OneDrive |
SharePoint |
Googleドライブ |
---|---|---|---|
同期方法 |
OneDriveアプリやExcelの自動保存 |
ドキュメントライブラリ経由で同期 |
Googleドライブアプリやブラウザアップロード |
共同編集 |
Excelでリアルタイム共同編集 |
Excelやブラウザでの共同編集に対応 |
Googleシートに変換するとスムーズに共同編集可能 |
権限管理 |
リンクごとやユーザーごとの権限設定 |
詳細なグループ権限設定と監査 |
リンク共有とユーザーごとの権限設定 |
Googleドライブを使う場合は、必要に応じてGoogleスプレッドシートに変換して編集する方法がおすすめです。
メール共有
小さなファイルや一時的な受け渡しにはメール添付が手軽です。
タブレットのメールアプリからExcelファイルを添付して送信できます。
ただし添付ファイルのサイズ上限やバージョン管理の手間に注意が必要です。
複数人での共同編集やリアルタイム同期が必要ならクラウドのリンク共有を併用すると便利です。
ファイル形式
タブレットでの互換性を考えると.xlsx形式が基本で互換性と機能性が高いです。
古い.xls形式は機能制限や互換性の問題が出ることがあるため注意してください。
データのやり取りだけならCSV形式が軽くて扱いやすいですが、書式や複数シートは失われます。
共有前に保存形式とエンコーディングを確認しておくと文字化けや機能制限を防げます。
タブレットでExcelの互換性と注意点

タブレット版のExcelは便利ですがデスクトップ版と機能や表示が異なる点があります。
利用前に互換性の違いや注意点を把握しておくことで作業の手戻りを減らせます。
関数互換性
基本的な四則演算やSUMやAVERAGEなどの代表的な関数はタブレットでも問題なく動作します。
ただし一部の最新関数や動的配列の挙動はプラットフォームやバージョンによって差が出ることがあります。
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タブレットで比較的安定して使える関数例はSUM、AVERAGE、IF、VLOOKUPなどです。
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注意が必要な関数例はFILTER、SORT、XLOOKUPや一部の統計関数などです。
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複雑なネストやユーザー定義関数は動作確認を行うことをおすすめします。
関数互換性で不安がある場合はサンプルデータで動作検証をしておくと安心です。
マクロ対応状況
タブレット版のExcelはVBAマクロの実行や編集について制約が多くあります。
プラットフォーム。 |
VBAの実行。 |
編集の可否。 |
---|---|---|
Windowsデスクトップ版。 |
フルサポートで実行可能です。 |
編集やデバッグも可能です。 |
Macデスクトップ版。 |
多くのVBAが動作しますが一部制約があります。 |
編集は可能ですがWindows専用APIは注意が必要です。 |
iPadおよびAndroidのExcel。 |
原則としてVBAの実行はサポート外です。 |
マクロの編集はできません。 |
Excel Online(ブラウザ版)。 |
マクロは実行できませんが表示は可能です。 |
編集は不可でマクロ関連の操作は制限されます。 |
既存のマクロを使う必要がある場合はデスクトップでの実行と管理を優先してください。
代替策としてOfficeスクリプトやクラウドベースの自動化を検討するとタブレットでも対応しやすくなります。
印刷レイアウト
タブレットでは印刷プレビューやページ設定の細かい調整がしにくいことがあります。
改ページ位置やヘッダー・フッターの表示がデスクトップと異なる場合があるため確認が必要です。
ページ倍率や余白の微調整はデスクトップで行ってから保存すると安心です。
印刷結果を固定したい場合はPDFに書き出してから共有や印刷を行うことをおすすめします。
外部データ接続
外部データソースへの接続やPower Queryなどの機能はタブレットで制限されることが多いです。
ODBCやローカルのデータベース接続はタブレットから直接行えない場合があります。
OneDriveやSharePointなどのクラウド経由でファイルを共有する方法は比較的スムーズに動作します。
定期的なデータ更新が必要なファイルはデスクトップで接続設定や更新処理を行う運用が現実的です。
フォント互換性
タブレットにインストールされていないフォントがあると表示が代替フォントに置き換わることがあります。
フォント置換によりレイアウトが崩れたり行間が変わったりするケースがある点に注意が必要です。
互換性を高めるためにはMeiryoやMS Gothic、Arialなどの一般的なフォントを使用することが有効です。
レイアウトを完全に保持したい場面ではPDF化や画像化を検討してください。
タブレットでExcelが遅い時の対処法

タブレットでExcelが重く感じる原因はハードやソフト、設定のいくつかが関係しています。
ここではすぐ試せる対処法を分かりやすく説明します。
アプリ更新
Excelアプリの不具合や遅延は最新版への更新で改善することが多いです。
まずはGoogle PlayやApp StoreでExcelのアップデートがないか確認してください。
自動更新を有効にしておくと、セキュリティ修正や性能改善がすぐ反映されます。
更新後はアプリを一度起動し直して動作を確認してください。
再起動
アプリ単体を終了しても改善しない場合はタブレット本体の再起動を試してください。
再起動で一時的なメモリ不足やプロセスの競合が解消される場合があります。
長時間連続使用していると不要なプロセスが蓄積されるので定期的に再起動することをおすすめします。
キャッシュ削除
溜まったキャッシュや一時ファイルが原因で動作が遅くなることがあります。
-
Androidでは設定>アプリ>Excelを開き、ストレージからキャッシュを削除してください。
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iPadではアプリ単体のキャッシュ削除機能がないため、アプリを削除して再インストールする方法が有効です。
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ドキュメントやテンプレートが多い場合は不要なファイルを削除してアプリ内の負荷を減らしてください。
キャッシュ削除後はログイン情報の再入力が必要になる場合があるので注意してください。
バックグラウンド停止
バックグラウンドで動作しているアプリがCPUやメモリを消費しているとExcelの動作が遅くなります。
操作 |
Android |
iPad |
---|---|---|
バックグラウンド制限 |
設定>アプリで対象アプリのバッテリー最適化やバックグラウンド制限を有効にしてください。 |
設定>一般>Appのバックグラウンド更新で不要なアプリをオフにしてください。 |
同期の停止 |
クラウド同期や自動アップロードを一時停止して負荷を軽減してください。 |
同様に同期や自動アップデートをオフにして様子を見てください。 |
不要なアプリの終了 |
マルチタスク画面から使っていないアプリをスワイプして終了してください。 |
Dockやマルチタスクから不要なアプリを閉じてください。 |
これらの設定変更でバックグラウンドの負荷を抑えつつExcelの動作を安定させることができます。
ストレージ整理
タブレットの空き容量が少ないと動作全体が遅くなります。
不要な写真や動画、ダウンロードファイルを削除して空き容量を増やしてください。
大きなファイルはクラウドや外部ストレージに移動すると効果的です。
目安として空き容量は全体の10〜20%以上を確保すると快適に動きやすくなります。
また、定期的に不要なアプリをアンインストールする習慣をつけると良いです。
タブレットでExcelを使った実務ワークフローの例

タブレットでExcelを活用する現場での代表的なワークフローを具体的に示します。
外出先編集
クラウドストレージに保存したExcelファイルをタブレットから直接開いて編集できます。
オフラインで作業する場合はファイルをデバイスに同期しておくと安心です。
自動保存機能を有効にしておくと、通信が不安定でも作業内容が失われにくくなります。
画面が小さいと感じたら表示モードを切り替えたり外付けキーボードを使うと効率が上がります。
タッチやスタイラスでの入力はセルの選択や注釈追加に便利です。
会議共有
タブレットからその場でシートを共有して参加者と共同編集できます。
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事前に共有リンクを作っておくと会議中の遅延が減ります。
-
表示をプレゼン用に整えて不要な列や行を非表示にしておきます。
-
変更履歴やコメント機能を使うと誰が何を編集したかが分かりやすくなります。
-
重要なスライスやフィルター結果はPDFにエクスポートして配布すると閲覧が楽になります。
データ収集
現地で得た数値や写真からデータをタブレットで直接取り込みできます。
Excelの「画像からデータ取り込み」機能を使うと、紙の表やホワイトボードをスキャンして表に変換できます。
簡単なフォームやチェックリストをExcelで作って現場作業者に入力してもらう運用が便利です。
Power Queryを使えば複数のCSVやWebデータをまとめて整形できますが、タブレットではPCと連携して処理すると効率的です。
PC連携
タブレットで作業したファイルをPCとシームレスに同期して仕上げ作業を行えます。
連携方法。 |
メリット。 |
備考。 |
---|---|---|
OneDriveやSharePoint経由。 |
自動同期で常に最新版が利用できます。 |
共同編集や権限管理がしやすいです。 |
ローカル同期(USBやファイル転送)。 |
ネットワークが無い環境でもファイルを移動できます。 |
手動の更新が必要な点に注意してください。 |
リモートデスクトップや画面共有。 |
PC版Excelのフル機能をタブレットから利用できます。 |
操作感はネットワーク品質に左右されます。 |
テンプレート運用
よく使う帳票や管理表はテンプレート化してタブレットからすぐ呼び出せるようにします。
テンプレートはクラウドに置いてバージョン管理すると更新時の配布が楽になります。
モバイル版ではマクロや一部のアドインが使えないため、可能な限り関数やPower Automateで自動化する運用にします。
テンプレートに入力規則やコメントをあらかじめ設定しておくと入力ミスが減ります。
命名規則や保存場所を統一して誰でも迷わずテンプレートを使えるようにします。
タブレットでExcelを導入する際の最終チェック

タブレットでExcelを運用する際の最終チェックポイントをまとめます。
まず互換性とライセンスを確認し、使用するタブレットがMicrosoft 365やExcelアプリの要件を満たしているか確かめてください。
ストレージとバックアップ、入力環境(外付けキーボードやペン)、画面サイズや解像度を確認してください。
タブレット版Excelやタブレット Excelではマクロや高度な関数に制限があるため、主要な業務ファイルで事前に動作確認を行ってください。
セキュリティはパスワード、端末ロック、リモートワイプなどを設定して運用ルールを明確にしてください。
最後に実運用での試験運用とユーザー教育を実施して、スムーズな導入につなげてください。